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続いて見ていく内容は引当金関係になっていきます。まずは3級からある貸倒引当金、こちらから確認をしていきましょう。まず貸倒引当金っていうのは何だったのか。これは、売掛金もしくは受取手形といわれる債券、こういったものを、お金がもらえる権利という事で売上債権って言われたりします。これは検定試験でも出て来るのでぜひ覚えておいて下さい。この売上債権と言われる売掛金や受取手形のように、お金をもらえる権利が将来的に回収出来ない、このもらえないかもしれないという、もしかしたらという金額を設定しましょうというのが貸倒引当金でした。

では例題を見ておきましょう。決算につき売掛金期末残高100,000円に対し5%の貸倒引当金を設定すると。なお、貸倒引当金残高は2,000円である。つまりどういう事かと言うと、売掛金が今100,000円残っています。同じように貸倒引当金も2,000円残っています。この100,000円に対して5%分を貸倒引当金として設定しましょうという事なので単純に100,000円×5%、金額に直すと5,000円です。この5,000円というのはどういう事を表すのかというと、この貸倒引当金が最終5,000円になるようにして下さいねという事を表しています。100,000円のうち5%が、もしかしたら貸倒れるかもしれないね、じゃ貸倒引当金が最終5,000円になったらOKだと。元々2,000円。これは残っていたので、じゃ何をしなければいけないのかというと、この差額部分ですよね。差額の3,000円を追加してあげればOKと。という事で仕訳としては差額の3,000円を貸倒引当金に増やしてあげる。貸方、貸倒引当金3,000円、借方については引当金の繰入という事で貸倒引当金繰入3,000円。これが基本的に3級から見てきた内容です。特にここには書いていませんが、検定試験なんかでは括弧書きで実績法もしくは差額補充法というような表現がされていると思います。それについては今やった計算をしなさいよと意味してるだけですので、実績法とか差額補充法、そのような表現が出てきたら、今見てもらっている内容をやってもらったらいいということです。

今のように追加した場合は繰入で良かったのですが、逆に残高が多くありすぎた場合どうするのか、それがこちらですね。続いての例題を見ておきましょう。決算につき売掛金残高100,000に対し、5%の引当金を設定と。なお、貸倒引当金の残高が6,000円。5%設定する。ただ残高として今6,000円残っていると、このようなケースですね。そしてこの100,000円に対して5%を設定する。必要なのは5,000円だけと。残高が6,000円あります。という事はもうこれだけあったら十分という事ですよね。5,000円分あったら十分。6,000円も要らないよと。じゃあどうすればいいのか。余った1,000円分を減らしましょう。これを戻入と言っていきます。戻入。という事でまず貸倒引当金1,000円分多くありすぎるので減らします。借方、貸倒引当金1,000円、貸方については1,000円分戻してしまったと、これは過去の見積が誤っていたという事で修正をかけるんですが、貸倒引当金繰入っていうものを減らす事は出来ません。ですから逆に収益を乗せてあげるという事で貸倒引当金戻入1,000円として計上していきます。これは収益になっていきます。このようにして設定する金額よりも残高が多かった場合には戻入という収益を記録するんだという事をぜひ確認をしておいて下さい。

では続いてこの貸倒引当金関係でさらに重要なポイントを確認しておきましょう。それが実際に貸倒れた場合。上の仕訳、下の仕訳。問題文はほとんど一緒ですが、ある部分だけを変えています。ではその変えているある部分とは一体どこでしょう。上と下、ある部分を除いては一緒。ある部分だけを変えています。ではどれを変えているのか。前期以前、当期、もう少し発生の所までチェックを入れておきたいと思いますが、実は重要なのがここなんです。前期以前に発生した売掛金なのか、当期に発生した売掛金なのか。これによって求められる解答というのは変わってきます。

まず上側の前期以前に発生した売掛金、これは貸倒引当金は設定されています。なのでこの100,000円というのは去年の決算に一度引当金の設定がされ、今年に入って貸倒れたという事なので売掛金が100,000円減少し、それに対して引当金を使う事が出来ます。25,000円。そして差額の75,000円については、足りないものは貸倒損失として計上してあげて下さい。これは3級からもずっとあった内容なので大丈夫かと思います。ただ下側、当期に発生した売掛金、これを良く間違えます。今年に入って売掛金が発生しました。で、今年に貸倒れました。ではこの100,000円に対して貸倒引当金の設定がされているでしょうか、いないでしょうかというと、貸倒引当金の設定はされていない。決算が来ない限りは引当金の設定はされません。当期に発生となればまだ決算が来ていない、決算が来ていないので引当金の設定がされていないという事で、貸倒引当金があったとしてもこの100,000円に対しては使えない。なので貸方、売掛金100,000円、借方、全額貸倒損失100,000円となります。引当金の設定がされていないため使えない、使えないから全額損失であると。これは検定試験にも過去に出題がされています。前期と当期が2つミックスされて出題され、気付かずに解答した受験者が間違えてたと。実際私も過去の試験を見た時には恐らく引っかかるだろうなと思っていました。後で解答した方に聞くと気付かなかった、分からなかった、普通に上の引当金を使った仕訳でやってしまったという事を多く聞きました。ですからここをですね、赤でチェックを入れたここがキーポイントになりますので、引当金を使える場合は前期以前の売掛金、引当金が使えないのは当期に発生したもの、ここを明確にするように心掛けて下さい。

3級までであれば引当金と言われれば貸倒引当金だけだったんですが、2級からは色々な引当金っていうものが出てきます。将来何かしらの支払い、もしくは損失が出てくる、しかも可能性がとても高い、そして、金額がある程度見積もれる、ある程度計算が出来るという条件が整ったものに関しては、引当金を設定していきます。で、その条件をクリアしたものがこれから見ていく退職給付引当金、修繕引当金。では退職給付引当金、修繕引当金について見ていきましょう。

退職給付引当金。こちらからまずは見ていきましょう。まずこの退職給付引当金というのが一体どういったものなのか、簡単に説明をしておくと、ひとことで言うならば退職金に関係する引当金。そもそも退職金というのは、会社を退職したとき退職金を支払いますねという退職金制度に基づいて支払われるものです。例えば入社して1年経ちました、2年経ちました、3年働いてその後退職したよとなれば、3年分の退職金が支給されていく。仮にですね、この退職した人、Aさんがいます。入社して3年後にAさんは退職しました。このAさんには90,000円分の退職金が支給される。そんな条件だったと。3年間働いたら90,000円分の退職金を払うという予定で考えていたならば、当社としてはどうすればいいのかというと、単純にこれを3分割して下さい。勤続年数に応じて計算をしていくわけですから、90,000円÷3年分で、1年間あたり30,000円ずつという計算になります。という事はですよ、もしこのAさんが仮に1年で辞めてしまったら退職金はいくらでしょうか。これは30,000円ですよね。3年間働く事で90,000円の退職金になるのですから、1年しか働いていないんであれば3分の1で、30,000円というのが妥当ですよね。じゃあもし2年間働いたらどうなるのか。もちろん最初の1年目の30,000円ってのはそのまま支払う義務として残ってますよね。で、2年間働いたという事でこれは追加で支払う義務が増えます。という事でトータル60,000円分。で、今回のように3年間働いたならば、1年目からの30,000円、2年目からの30,000円。これはそのまま支払う義務として残っています。プラス3年目働いた事による退職金追加分というものが追加されて、トータル90,000円になっていくと。このように1年目で辞めたら30,000円、2年目で辞めたら60,000円、3年目で辞めると規定通りの90,000円。4年、5年、6年と年数が長くなれば長くなるほど退職金っていうのは払う義務が増えていきます。という事は社員が入社してから毎年毎年支払う義務っていうのが増えていきますので、増えていく金額というものを退職給付引当金として負債計上、退職金を支払う義務として負債計上をしていかなければいけない。これが退職給付引当金になっていきます。

で、実際ですね2級までであればこのような計算っていうのは必要ありません。ほとんどは金額が与えられた上で仕訳を行いなさいという問題になりますので、細かく金額計算をする必要は無い。ただ1級に行けばこの中身をですね、さらに分解して色々な計算っていうのが出てきますが、2級はそのような心配はありませんので仕訳だけをしっかり出来るようにしておいて下さい。

では具体的な仕訳を確認しておきましょう。決算ですね。決算に際して退職給付引当金60,000円を繰入れた。これは60,000円支払う義務が増えましたという事になります。義務は負債、負債は貸方側に増えるという事で貸方、退職給付引当金60,000円、これは負債ですよと。借方側は、これは費用の計上となります。なので借方、退職給付費用60,000円となっていきます。貸倒引当金と同じように引当金いくら、そして繰入れいくらとなりますが、科目だけ注意して下さい。退職給付引当金繰入ではなく、退職給付費用になっていきますのでその点だけ注意をして下さい。

そして実際に退職金を払ったとき。従業員Aが退職したので退職金400,000円を現金で支払ったと。なお、従業員Aに対する退職給付引当金は350,000円であった。400,000円のうち350,000円までは引当金の設定がされていたと。50,000円はまだ引当金の設定がされていないと。その差額部分は費用計上してあげればOK。では仕訳としては貸方、現金400,000、借方、設定していた引当金、義務を減らすという事で退職給付引当金350,000円、差額の50,000円に関しては退職給付費用となっていきます。ちなみにこの退職給付費用、勘定科目として退職給付とされるケースもあります。決算の時は必ず退職給付費用になりますが、この場合ですね、支払ったといった場合退職給付費用に変えて退職金とするケースもあります。ただここは勘定科目の指定があったときのみとなりますので基本的には退職給付費用で事足ります。以上が退職給付引当金です。

続いてもう1つ修繕引当金について見ていきましょう。修繕引当金。この修繕っていうのは聞き覚えないでしょうか。実は3級の時に修繕費と仕訳をするというところがあったと思います。実はこの修繕費に関しても、毎年毎年定期的に修繕を行なっていくといった場合には引当金の設定をしていかなければいけないと。こちらに関しては貸倒引当金の設定とやり方は一緒です。例えば決算の時修繕引当金300,000円を繰入れたとなれば、貸方、修繕引当金300,000、借方、修繕引当金繰入300,000。そして実際に修繕費を支払ったとなった時、定期修繕として修繕費700,000円を支払った。で、400,000円までは引当金の設定をしているとなれば貸方、現金700,000、借方、積立ててた修繕引当金を取崩すという事で、修繕引当金400,000、そして差額の300,000円については修繕費として計上していきます。以上が修繕引当金の仕訳処理となっていきます。

ここまでで基本的な項目が終了となります。これから先というのは総合問題対策として具体的に損益計算書や貸借対照表の作成、そして、本支店会計というものがありますので、今まで見てきた内容というのはこれから見ていく内容のパーツ部分を見てきたという事を確認してもらったらと思います。

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