簿記2級無料講座 工業簿記とは
工業簿記、こちらの基礎の内容を見ていきますが、まずは商業簿記と工業簿記の違いについて見ていきたいと思います。タイトルとして「工業簿記とは」とありますが、まず商業簿記について簡単に見ておきましょう。商業簿記は3級の頃からやってる内容と同じで、何か商品を仕入れます。そしてこの仕入れた商品を販売、売上げるという事です。例えば100円で商品を仕入れて150円で販売、利益が50円。このような記録をしていこうというのが商業簿記でした。では一方の工業簿記とは一体何なのか。同じく仕入れて販売をする、これは商業簿記と同じです。ただ違うのが工業簿記では材料を仕入れます。そして仕入れた材料を加工して製品にします。そしてそれを販売していく。イメージとしては自動車会社とかパソコンの製造会社っていうものを思い浮かべて欲しいんですが、仕入れた材料を作って、車なら車を作ってそれを販売していく。材料を10円で仕入れました。この10円で仕入れたものを60円で販売をし、じゃあ利益が50円出た。こんな風に考えてしまうと実は工業簿記は危ないんですね。何故かというと材料を仕入れて加工という事をし、製品を製造していく。製造、ここが商業簿記との大きな違いになっていきます。ですから10円で仕入れた材料、確かに10円かもしれませんがここに加工という作業がありますのでこの作業を計算に入れ、最終、製品の金額は110円となっていき、この110円の製品を販売していく。もし単純に仕入れた材料を10円として60円で販売したとなれば、製造というこの加工が発生していくので最終利益は50円ではなく、マイナス50円とこのようになってしまいます。ですから工業簿記では工場なんかをイメージしてもらって、材料を仕入れて製造という加工を行い、製品を作って販売していく。このような流れを記録したり計算したりしていくのが工業簿記だよという事をぜひ押さえておいて下さい。
では工業簿記の目的、これは一体何の為にするのかという事ですが、B/S、P/Lの作成、つまり貸借対照表、損益計算書の作成。これが工業簿記の目的です。と言ってしまうと商業簿記と何ら変わりないじゃないかと思うかもしれませんが、実はこの後に工業簿記ならではのものが入ってきます。それがコスト管理です。コスト管理。これが工業簿記に入ってくる内容となっていきます。ちなみにこのコスト管理というのは原価計算とも言われていきます。要はどれだけ製品を作る為に費用、原価がかかっていったのか、コストがかかっていったのか。そのようなものをすべて計算していこう、管理していこうという目的が工業簿記にはあります。ですからこれから当然、貸借対照表、損益計算書の作成というところも見ていきますが、それ以上にこのコスト管理、原価計算というところも重要になってきますのでしっかりと確認をしておいて下さい。
また原価計算の基本として、この原価計算期間っていうのをぜひ押さえておいてもらいたいと思います。というのが商業簿記なんかでは期首があって、決算があります。1月1日、12月31日。この1年間を会計期間と言っていってました。もっと簡単に言うと決算書を作成する期間でしたよね。なので大体1年間を1つの基準として計算をしていきましたけれども原価計算、工業簿記においては先ほども言ったこのコスト管理、原価計算っていうものが必要なので、この期間っていうのが実はあります。それが答えになっちゃいますが1ヶ月。この1ヶ月を単位としているのが原価計算期間となります。で、この後ですね色々な計算を見ていきますが、1ヶ月というのが非常に大切なキーワードとなります。いいですか、1ヶ月っていうのが非常に重要なキーワードとなっていきます。ぜひこの原価計算期間1ヶ月というのを覚えておいて下さい。
では続いて工業簿記の基本、流れについて確認をしておきましょう。工業簿記は材料を仕入れて、製品の製造をしていく。そこから販売に繋げるというのをざっくり話をしましたが、さらに細かく中身を見ていくと、まず材料を仕入れました、となれば、材料の仕入という記録を行なっていきます。これは3級でもやっていった勘定と同じです。材料という勘定を作ってですね、そこに仕入たら記録をすると。そして材料を使ったならば当然減りますので、減った材料は続いて仕掛品という勘定へ移されます。ちなみにこの仕掛品という勘定は完成していない製品、まだ完成していない製品の事を仕掛品と言っていきます。ですから材料を使ったら当然製品を作っていると、じゃ作っている間はこの仕掛品勘定に記録をしておこうねと、その後完成したら製品勘定へ移しましょうと。そして最終この完成した製品を販売していくという流れになっていきます。要は工業簿記の基本と、流れっていうところで押さえて欲しいのは左から右へ随時流れていっているという、この一連の流れを押さえて欲しいという事なんです。やはり簿記ですから仕訳を書いたり、このような勘定に記録を、転記をするという事は当然出てきます。その時にどのような流れで記録をしていくのかということで、材料を使ったら仕掛品、完成したら製品、販売したら最終、また記録をしていく。このような流れをぜひポイントとして押さえておいて下さい。
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