簿記2級無料講座 原価とは
それでは続いて原価とは何なのか、言葉の確認も含めて内容を見ておきます。イメージしやすいように、皆さんがよく知っている缶コーヒー、これを1つ例として挙げたいと思います。普通に缶コーヒーを買ったならば、これいくらでしょうか。コンビニなり自動販売機で缶コーヒーを買えば、大体120円というのが普通ですよね。ではこの缶コーヒー120円で販売されていますが、どれだけのコストがかかっているのか。例えば材料とか、人件費、その他の経費、こういったものが色々コストとしてかかってきます。つまり今挙げたこの人件費なり、材料なり、経費、こういったコストの事を原価と言っていくんだよと。そして120円という売上から原価を引く事で最終利益が計算されていく。つまり工業簿記の場合、原価がいくらかかったのかという事をちゃんと計算しておかないと利益が計算出来ないんですね。単に材料だけではなく人件費なり経費なりがかかってきますから、こういったコスト管理、原価計算っていうものをちゃんとしておかないと、正しい儲け、利益を計算する事が出来ない。だからこの原価というのは非常に重要となっていきます。
では先ほどからずっと原価、原価と言っていますが、一体どういったものがあるのか。その原価の中身ですよね、これをまとめておきたいと思います。まず原価の種類として大きく2つに分かれます。総原価というものと、非原価項目。総原価と非原価項目という2つにまずは分かれます。この非原価項目というのは例えば特別な損失、あまりピンと来ないかもしれませんが、災害や盗難など普段起こりうる事が無い特別な損、これを非原価項目と言っていきます。普段起こらないのであればこれを缶コーヒーの中の原価に入れちゃうとどうなるでしょう。正しい儲けの計算が出来なくなってしまいます。ですからこういった普段起こりうる事が無い特別な損失などは非原価項目という事で缶コーヒーなどのコストには入れない、原価に入れないようにしようというものです。で、それ以外を総原価と言っていきますが、実はこの総原価というものもさらに2つに分かれます。製造原価と販売費及び一般管理費。まず販売費及び一般管理費についてですが、これは作った製品を販売したり作った製品を倉庫に保管するという管理。販売する為、管理する為にかかった費用、コストを販売費及び一般管理費と言っていきます。で、それ以外を製造原価と言っていく。ではこの製造原価、もっと簡単に表すとどういう風に言うかというと、製品を製造する為だけの原価、このようにレジュメにも書いておいてもらえると非常にイメージしやすいかと思います。つまりですよ、この缶コーヒーを作る為だけにかかってきた原価、この部分を製造原価と言っていくんだよと。実は工業簿記において、これから色んな原価っていうものを計算していきますが、この製造原価をピックアップして計算していくというのがメインになっていきます。
では製造原価、具体的にどんなものがあるのか。大きく3つ。実はこの上に書かれている3つがそれに該当します。材料っていうのは缶コーヒーの場合だとコーヒー豆だったり、水だったりですよね、こういったものを材料費。労務費、これは人件費。缶コーヒーを作ってくれている工場の人達のお給料なんかが該当します。そして経費。これはその他にかかってくる色々な経費ですよね。例えば機械を修理する為の修理代金だったり、材料を運搬する為にかかってきた運搬費。そういった材料、労務費、人件費以外の経費を全て経費と。もうその名の通りになっていきます。で、さらに材料費、労務費、経費を2つに分けていきます。その1つとして直接材料費、直接労務費、直接経費。材料費、労務費、経費を2つに分けると、1つとしては直接材料費、直接労務費、直接経費と。ではもう1つ分けるとするならば、直接に対して間接と言っていきます。間接材料費、労務費も同様、間接労務費、そして間接経費とになっていきます。ちなみにこの間接と直接の違いについて、簡単に触れておきますが、この直接、間接ってのは何に対してかって話をすると、製品に対してという事です。つまり缶コーヒーを例に挙げると、この缶コーヒーを作る為に直接かかった材料、直接かかった人件費、直接かかった経費。これを直接材料、労務費、経費と言っていきます。で、間接というのは缶コーヒーを作る為にかかったコストには違いないんですが、例えば缶コーヒーだけを販売してる会社ってのは中々少ないですよね。缶コーヒー以外にも色んなジュース、もしくは缶コーヒーでも砂糖が入っている缶コーヒー、無糖の缶コーヒー、ミルクだけが入った缶コーヒー、砂糖もミルクも入った缶コーヒー。というように同じ缶コーヒーでも色んな種類があります。どの缶コーヒーにかかったコストなのかが見えにくいものを間接と言っていきます。どの缶コーヒーを作ったか明確に分かるコストを直接、どの缶コーヒーにかかったコストなのかが見えにくいものを間接と言っていく。具体的な内容はまた後ほど見ていきますので、まずは原価と言われたら製造原価、そしてその製造原価は、直接、間接とに分かれて材料、労務、経費になっていく。ここが非常に重要なポイントとなっていきます。ぜひ押さえておいて下さい。それでは引き続き原価計算の流れ、先ほどからこの原価というところをずっと見ていきましたが、実際にそれらの科目がどのような流れで記録されていくのか、こういったところを見ていきたいと思います。
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