簿記2級無料講座 原価の固変分解
では続いて原価の固変分解。この固変分解とは一体何なのかというと、直接原価計算においては固定費と変動費に分けるっていうのがポイントでした。今までの問題では固定費と変動費、分かれてる状態で問題が出題がされていた。けれども実際の社会において固定費と変動費、細かく分けるっていう事が出来るかどうかっていうと中々出来ない。そこでこのような方法を用いて固定費と変動費に分ける計算をしましょうと。これを今から見ていきます。どうやって固定費と変動費に分けていくのか、その分ける計算方法を見ていきます。色々な方法がありますが、2級においてはここ、高低点法、これだけ出来れば十分です。2級だけでなくて1級についても同様なんですが、この高低点法っていうのが固変分解における計算方法の中でよく出題されていく論点です。
では例題を使いながらこの計算確認をしておきましょう。次の資料に基づき高低点法により原価分解を行い、変動比率と月間固定費を計算しなさい。また生産量が350個の時の製造間接費を計算しなさい。資料、過去6ヵ月間の製品生産量と製造間接費実際発生額が載っております。高低点法っていうのはその名の通り1番高い所と1番低い所を見ていこうと。なのでここで見ていくと、製造間接費ですね、製造間接費、この1番高い所を見て下さい。1番高いのが27,870円。逆に1番低い所、製造間接費の1番低い所を探して下さい。そうすると25,170円これが1番低い所になります。つまり高低点法はこの1番高い所と1番低い所の差額分が変動していると考えて、それを基に変動費と固定費を計算していこうと。横軸が数量に対して縦軸が製造間接費。1番高い所でいくならば125個ですね。125個生産したならばその時の製造間接費が27,870円、そして1番低い時で105個、この製造間接費が25,170円。ではここですね、1番低い時の数量の差、105個-125個で20個の差があります。金額の差はどうでしょう、27,870円と25,170円、この差が2,700円。つまり20個変われば2,700円増えてます。20個増えたら2,700円増えました。じゃあ2,700÷20個で1個あたり135円変動しているよねと。ではこの135円をそのまま延長させていき、残った金額を固定費として計算していこうとこのようになっていきます。なので、変動した個数、変動した金額、1番高い所と1番低い所の差の個数と差の金額をそれぞれ使ってどれだけ変動したのか、1個あたりの変動を求めてあげる事で変動比率135円っていうのが出てきます。固定費に対しては、1番高い27,870円で見てもらいたんですが、この時の個数が125個ですよね。なので125個×135円、変動比率が16,875円になります。変動費が16,875円。製造間接費27,870円なので変動費を引いてあげると固定費になります。27,870円、製造間接費-先ほど計算した変動比率135円と1番高い時の個数125個をかけて固定費を計算してあげて下さい。10,995円、固定費は10,995円となります。変動比率が求まればその時の個数をかけて引いてあげるだけで残りが固定費となっていきますのでこれをぜひ確認してみて下さい。
では実際に生産量150個だった場合の製造間接費っていう事ですが、個数に対して変わってくるのが変動費だけですので150個×135円+後は固定費10,995円で製造間接費が求まります。31,245円。このようにして固変分解が活用出来ますので、ぜひ高低点法、計算出来るようにしておいて下さい。過去の出題例として先ほどのCVP分析とこの固変分解がセットになって出題されるという事が多々ありますので、1個1個確認するだけではなくて、両方踏まえて出来るようにしておいて下さい。以上で直接原価計算は終了となります。もう一度、直接原価計算のポイントを確認しておいて下さい。原価を変動費と固定費に分ける。そしてそれを基に損益計算書を作った場合、全部原価計算、直接原価計算によって損益計算書の最終営業利益が変わってくる。それに基づいての固定費調整が必要になってくるっていうところ。プラスCVP分析。損益分岐点、目標営業利益を達成する為の売上高。こういったところも今一度、計算方法、まあ算式とかを使って計算して説明をしているところもありますが、やはり算式だけで覚えようとすると難しいところでもありますので、ぜひ解説で話したような一覧表を作って、表に基づいて逆算をしていくっていう方法をぜひ確認してみて下さい。
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