簿記2級無料講座 株主資本等変動計算書
新しい論点と言いましたが、この純資産、純資産に該当する項目っていう意味では変わりありません。ただ、計算書の作成というところで見ておいて欲しいんですね。実はこの株主資本等変動計算書、貸借対照表や損益計算書と並んで決算書の一部、財務諸表ですね、財務諸表の1つに位置付けられています。ですから会社はこの変動計算書の作成ってのが要求されてくると。ではこの株主資本等変動計算書、一体どういったものなのか。まず簡単に概要の説明をしますが、メインは純資産、ここになってきます。今チェック入れたのは期首時点の純資産。もちろん期末の純資産もあります。この株主資本等変動計算書というものは期首の純資産から期末の純資産にかけてどれだけ増減したのか、期首から期末にかけて純資産額が幾ら増減したのか、これを1つの表にまとめたものがこれから見ていく株主資本等変動計算書になってきます。ずっと見てきた、増資、株式の発行。また利益の処分、配当、損失の処理。これらは全て純資産の増減を表します。今まではずっと仕訳を見ていったんですが、その仕訳を最終計算書にまとめていこうっていうのがこれからの内容になっていきます。
では例題を使って確認をしていきましょう。まずは仕訳の確認。繰越利益剰余金を財源として配当金4,000円、利益準備金への積立400円、任意積立金への積立600円が行なわれた。こちらの仕訳は大丈夫でしょうか。繰越利益剰余金の減少なので借方、繰越利益剰余金、貸方、配当金は4,000円なので未払配当金4,000円。利益準備金は400円、そして任意積立金への積立が600。で、合計が5,000円になります。そして決算、当期純利益が8,000円、これも大丈夫でしょうか。利益が増えれば繰越利益剰余金の増加になりますので、繰越利益剰余金が増加したら貸方、繰越利益剰余金8,000円、借方は損益8,000円となります。
で、期中これ以外に取引が無かったと仮定をして計算書の作成に移りたいと思います。これが株主資本等変動計算書になります。まず見て欲しいのが上側ですね。これがそれぞれの項目になってきます。資本金、資本剰余金、利益剰余金それの合計。そして資本剰余金は資本準備金、その他資本剰余金。利益剰余金は利益準備金、その他利益剰余金。その他利益剰余金はまた任意積立金、繰越利益剰余金になっていくと。そしてここに金額が載っていますが、この金額っていうのが前期末、つまり期首の金額を表しています。期首の金額。最終到達地点として、ゴールは期末の金額を計算してあげると。具体的にはこの赤で囲んだ、この中を先ほどの仕訳を見ながら埋めていくという事になっていきます。
ではそれぞれ確認をしていきましょう。先ほどの仕訳をもう1度確認をして欲しいんですが、まず利益の配当、処分というものが行なわれました。ここでもありますように剰余金の配当、そして利益準備金への積立、任意積立金の積立、当期純利益。それぞれの取引に分けて金額を埋めていきます。まず剰余金の配当。剰余金の配当をすればどうなったのかというと、繰越利益剰余金が減少しました。配当は4,000円でしたので繰越利益剰余金が、配当を行なう事でマイナス4,000円。このように記入していきます。なお、マイナスは△印、もしくは「-」、横棒のマイナス。これはまた試験によって、問題の指示によって変わっていきます。今は分かりやすいように△印を付けておきましょう。マイナス4,000円。では続いて利益準備金への積立。利益準備金も、やはり繰越利益剰余金は減少します。なのでマイナス400円。ただしこの400円は、利益準備金が増える400円にもなりますので、利益準備金の積立を行って、利益準備金がプラス400円。同様に任意積立金600円、繰越利益剰余金が減少。しかし任意積立金は600円の増加となってきます。そして最終当期純利益、利益が出れば繰越利益剰余金が増加しますので8,000円のプラス。このようになってきます。後は縦と横の合計、特に縦に関しては無い所はもうバーを入れてもらったら結構です。資本金、特に無いので増減額の合計は無し、無し、無しと。ここは400円の増加、600円の増加、繰越利益剰余金は3,000円の増加となります。もちろん横も同様に計算してあげて下さい。マイナス4,000円、ここは0、ここも0、ここはプラス8,000円。では縦と横のそれぞれの合計4,000円、一致しますね。そして最終期末残高、この期末残高は期首、それと当期の増減額これをプラスマイナスした結果を書いてあげて下さい。金額に変動の無い所はそのまま、利益準備金の場合は6,000円と400円のプラスなので6,400円。任意積立金は0とプラス600円なので600円。繰越利益剰余金14,000円と3,000円の増加、17,000円。最終合計144,000円の増加、144,000円。このように作成がされていきます。以上が株主資本等変動計算書の作成についてです。
以上で株式会社、特に純資産の内容については終了となっていきます。なお、最後に確認をした株主資本等変動計算書、こちらについての出題に関しては会計士、税理士はもちろんの事、日商簿記検定1級、全経の上級、それぞれの試験において出題がされています。ただ、2級についてはこれから出題の可能性が出てくると思われますので、ぜひ作成が出来るように確認をしてみて下さい。
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