簿記2級無料講座 端数利息の処理
端数利息というものです。有価証券利息、これは利払い日ごとにもらえますよね。じゃこのもらえる有価証券利息、利払い日前か後か、どっちの利払い日で、もらえるでしょうか。有価証券利息は後払いです。後払いという事は、そうですねこちら、後の利払い日で利息がもらえる。よろしいでしょうか。もっと言うと、この日に有価証券を持っていたら利息がもらえるという事です。
例えば、この利払い日の途中で売買が行なわれました。Aさんが持っていた有価証券をBさんに売却しました。Bさんは利払い日の日に有価証券を持ってるので、利息をもらえます。じゃAさんは、売買をする日まで、この期間ですね、有価証券を持っていましたが、もう利払い日が来る前に売っちゃってますので利息はもらえません。そうなってくるとどうでしょう。Aさんは損している気がしませんか。Aさんはこの期間ずっと有価証券を持っていたにも関わらず、最終の利払い日まで持っていなかったが為に利息は1円ももらえないとなるとこれは不公平になりますよね。そこでそのような不公平が出ないように、売買を行なった日までの利息はちゃんとAさんに払いましょうね、それで不公平が出ないようにしましょうねと。それがこれから見ていく端数利息の内容となります。つまり売主分の利息。買った人は自分が後で利払い日に全額もらえるけれども、その内売主が持っていた期間の利息分はちゃんと渡してあげてねというのがこれから見ていく内容です。
では具体的に例題を使って見ておきましょう。6月12日に売買目的で社債400,000円を1口100円につき95円で購入。代金は端数利息と共に現金にて支払った。なお、利率は年3.65%であり、利払い日は3月末日。という事はそれぞれの利払い日を書き込んでおくと、利払い日は3月の31日。そしてこの期間1年分の利息が一体幾らになるのか。計算しておくと、額面400,000に対して3.65%、14,600円の利息になります。で、実際に売買が行なわれたのが6月12日。という事はこの期間分の利息、これが端数利息になってくる。売主はこの期間、有価証券を持っていたので、売却した時点で、もうもらっておきましょうと。そして後で買主は利払い日が来た時にすべてもらうよと。では、実際この期間幾らの利息になるのか計算をしていくんですが、計算のポイントは日数計算です。日割りですね。じゃ、いつからいつまでかという事ですが、ポイントは売買を行なった日よりも前の利払い日、売買を行なった日よりも前の利払い日の翌日、つまり4月の1日から6月の12日。これがポイントです。売買を行なった日よりも前の利払い日の翌日4月の1日から6月の12日の日数。これが何日間あるのかを計算してもらいます。大丈夫でしょうか。念の為確認をしておくと、4月は30日、5月は31日ですね。6月は12日まで。合計してもらうと73日間。という事で1年間14,600円、これを日数計算して365日分の73日間、2,920円となります。売主は2,920円の利息をもらう事ができると、このような流れになっていきます。
では仕訳の確認をしておきましょう。まず買主ですね。有価証券を買った側は1口当たり95円なので380,000円。借方、売買目的有価証券、そして現金にて支払い。貸方、現金380,000円。そして併せて買主は2920円の端数利息を支払います。現金2,920円。借方、有価証券利息。で、売主側での処理。売主側では有価証券を売却したという事なので、貸方、売買目的有価証券。今回売主は取得原価と売却価格がイコールだったと仮定して下さい。なので取得原価は1口当たり95円。売却した金額と全く一緒だったと。なので380,000円。これを現金で受け取ったと。なので売却損益は一切出て来ない。そして利息の受取、借方、現金2,920円。貸方、有価証券利息2,920円となります。
ここでですね、勘のいい人は「あれっ」って思うかもしれないんですが、有価証券利息っていうのは収益です。買主側で見てもらうと、有価証券利息2,920円、収益のマイナスになっている。これこのままでいいのかって思う方いるかもしれません。ただこれは利払い日が来たら問題は解消されます。どういう事か。買主側の利払い日をちょっと見ておきましょう。先ほど売買を行なった6月12日に有価証券利息記録されましたね。6月12日に2,920円有価証券利息、収益のマイナスというのが記録されました。けれども実際利払い日が来たならば利息の受け取りが可能になります。なので借方、現金、これは1年分の14,600円となります。そして貸方、有価証券利息14,600円。という事は有価証券利息勘定の貸方へ利払い日の3月31日に14,600円記録されます。となるとどうでしょう。この14,600円というのは365日分の利息です。2,920円の端数利息は73日分の利息。この差額11,680円、これが買主分の利息として最終的に損益計算書に載ってくる事になります。日数でいくと292日分ですね、292日分が買主分の利息として残ってくるよと。なので最終的に、自動的に損益計算書には買主分の利息っていうのが正しく反映されていく。もう1度ポイントを確認しておきます。いいでしょうか。売買を行なった日から遡って前の利払い日、この利払い日の翌日から利息を計算。ここを絶対に忘れないで下さい。いいですか。前の利払い日の翌日、ここをキーワードとして押さえておいて下さい。
以上で有価証券は終了となります。3級からの売買目的有価証券、そして2級から追加された満期保有目的債券、それと端数利息。どれも出題頻度としては非常に高い重要なポイントとなります。特に売買目的有価証券と満期保有目的債券は総合問題での出題も十分ありえますのでぜひ問題の確認、復習をしておいて下さい。
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