簿記2級無料講座 損益計算書と貸借対照表
続いて見ていくのが、損益計算書、貸借対照表についてですが、具体的な作成という意味ではなく、知識として覚えてもらいたい内容を確認していきたいと思います。ではレジュメを使って確認しておきましょう。
まず損益計算書ですが、3級商業簿記においては借方、貸方に分けて費用、収益ってものを書いていくというものが出題されて来ましたが、2級については、このように損益計算書を縦に並べていくという方法も出題されます。これを報告式損益計算書と言っていきます。報告式損益計算書。で、いったいどういったものが上から順番に書かれていくのか。損益計算書の報告式という事で見ていきますが、このように上から順番にですね、収益、費用、費用、収益、費用、収益、費用と並べていき最終利益計算をしていくと。
もう少し中身の説明をしておくと、売上高っていうのはその名の通り売上ですよね。で、売上原価ってのはこの売上高に対応した原価、費用です。で、販売費及び一般管理費っていうのはこの売上を出す為に必要な営業活動や、販売活動もしくは商品の管理とかそういったものを全て集約しているもの。具体的には広告宣伝費とか給料、後は家賃、退職金、退職給付費用とか、後ですね、減価償却費、貸倒引当金の繰入、こういったものが該当していきます。そしてこっから下に関しては営業や販売活動以外のものから出てくる費用収益です。営業外収益、営業外費用。営業外収益っていうのは例えば有価証券の売却益とか有価証券の評価益、その他受取利息、受取配当金、このように直接販売や営業活動に関わらない収益。営業外費用は同じようにこの販売や営業に関わらない費用。有価証券売却損、後支払利息。そういったものが該当していきます。また、特別利益、特別損失っていうのは、これは臨時的、一時的に発生するもの。例えば固定資産の売却益や固定資産の売却損。固定資産の売却っていうのは頻繁に行なわれるものではありませんよね。また、火災損失なんかも該当していきます。毎年火災が発生して工場が燃えました、なんて事は無いですよね。なので普段起こりうる事がない、まれに起こってしまう収益や費用、これが特別利益、特別損失になっていきます。つまり、その活動の内容に応じて、また発生する頻度に応じて費用、収益を分けていこうという事になっていきます。
そしてこれにはもう1つ重大な項目、確認して欲しいポイントがあって、単純に費用や収益を上から並べている訳ではなく、途中途中で利益計算をしているんです。どういう事かというと、売上高から売上原価を引くとどういった利益が出るのか、これが売上総利益、こういったものが計算されます。俗に粗利とかって言われたりします。粗利。純粋に商品を売ってどれだけ儲かったのかっていうのが売上総利益です。
続いて売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を引いた残りの利益、これを営業利益と言っていきます。売上総利益から販売費及び一般管理費を引いたものが営業利益なんですが、この営業利益はその名の通りメインとなる販売活動からどれだけ利益が出てるのか、単純に商品を売った粗利だけではなく、人件費とか活動経費、そういったものを差し引いた営業で得られた利益というのが営業利益。そしてその営業利益から営業外収益を足して、営業外費用を引いた残りの利益を経常利益と言っていきます。この経常利益っていうのが通常起こりうる範囲の利益なので、毎年コンスタントにこれだけの利益は上げれるだろうというものです。もっと言うと、この会社の純粋な力っていうものが表れてくるのがこの経常利益になっていきます。資金繰りとか、お金を借りてきたとかお金を貸したとか、また資産運用、有価証券とかも、そういったものから得られた収益、費用っていうものが加味されて、本来のこの会社が儲ける力というのが経常利益に表れてきます。そして特別利益、特別損失を加減した最終利益が税引前当期純利益。税金を計算する前の当期純利益となっていきます。
このようにして報告式損益計算書を作成すると、途中でその会社の利益っていうものを、目的に応じた利益っていうものを計算する事が出来るというメリットがあります。もしこれを細かく分析する力があれば「あ、この会社って営業力あるんだな」とか「販売力あるんだな」とか、もしくは「本来の力っていうのは意外と弱いんだな」とか「強いんだな」っていうものを判断する材料にもなってくる。これを活用して投資しようかな、どうしようかなって考える方もいます。なので日経新聞とか見てもらうと損益計算書、このような報告式の損益計算書が載っているという事が多いのでまたぜひ参考にして下さい。また検定試験でもこの利益っていうのを自分で書くという事もありますし、この順番で計算しない、損益計算書を作りなさいという事もありますので、ぜひ確認をしておいて下さい。
続いて貸借対照表。貸借対照表も細かく項目が分かれていきます。まず資産を確認しておきましょう。流動資産、固定資産、繰延資産、この3つに分かれていきます。まあここは途中で説明したという事もありますので大体覚えている方もいると思いますが、資産を種類別に分けた時に流動資産、固定資産、繰延資産に分かれていくと。流動資産っていうのは現金、売掛金、受取手形、繰越商品、売買目的有価証券、こういったものが流動資産になっていきます。で、固定資産。固定資産は建物、土地、備品、車などの有形固定資産の他、○○権、のれんのような無形固定資産、さらには満期保有目的債券、こういったものが固定資産になっていきます。そして繰延資産、これは繰延資産の項目で見ていますので大丈夫かと思います。で、同じように貸方側。純資産についてはもう既に確認をしていますので純資産のところ、もし忘れているという人はそちらを確認してもらったら大丈夫です。で、念の為流動負債、固定負債、こちらについてですが、流動負債は買掛金、支払手形ですね。その他、修繕引当金なんかが該当していきます。後、未払金、未払費用ですね、その他、未払法人税等などがこの流動負債になってきます。そして固定負債、これは社債ですね。あと、退職給付引当金が該当していきます。で、流動と固定の大きな分け方として簡単に説明をしておくと、1年っていうのがキーワードになります。要は1年以内に現金化される、もしくは1年以内に支払われるものを流動資産や流動負債と言っていくと。1年を越えて支払うもの、1年を越えて現金化されるものが固定になっていくと。このようにして流動固定を、1年というものを基準にして分ける事で、資産や負債というものを見やすくしていく、そういったものをワンイヤールール、1年基準と言ったりもします。それは参考程度に押さえておいて下さい。このようにして貸借対照表を細分化し、またさらに各項目を埋めていく、これが検定試験でも出題がされていきます。
ここが解答として要求されるというわけではなく、各項目がどこに書かれるのか、過去の出題例を見てもらうと確認出来ますので、大きく分けるとして1年っていうものを基準に考えてもらうと非常に分かりやすいかと思います。
以上で財務諸表の作成、損益計算書、貸借対照表の知識の確認という事で見てもらいました。ただ、いくらここで説明をしても実際に過去の出題例として損益計算書や貸借対照表の作成っていうものを見てもらわないと中々イメージしづらいと思いますので、ぜひ総合問題、決算整理を含んだ総合問題を確認していただいて、作成手順を見ていただければと思います。
また3級商業簿記での貸借対照表、損益計算書の作成。これをもう1度見てもらうと作成法が非常に分かりやすいのではないかと、理解しやすいのではないかと思いますので、3級の財務諸表の作成等も含めて見ていただければと思います。
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