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簿記2級無料講座 売上原価の計算・期末商品評価

商品売買の決算整理において、売上原価の計算は3級でもありましたね。これ覚えているでしょうか。売上原価の計算は、期首商品プラス当期仕入マイナス期末商品。具体的にはこれですよね、期首商品600円、当期商品仕入が3,000円、期末商品が900円でしたと。この場合どのような流れになったのかというと、まず期首商品の600円を当期仕入へ移していく。そして期末の900円は売れ残りのため当期の仕入から減らして繰越商品へ戻してあげる。その最終差額部分が期末商品であり、仕入の中であれば売上原価になっていきます。そして決算整理仕訳。これ大丈夫でしょうか。これが決算整理で行なわれていく仕訳でした。

ここまでであれば3級と何ら変わりありません。ただ2級からはこの繰越商品、つまり期末商品に対してさらに細かく見ていくというのが出てきます。例えばどういう事かと言いますと、期末商品900円。これは一体どういった金額かというと、実は帳簿棚卸高。これを指してるんですね。商品有高帳っていうのがあったのを覚えてるでしょうか。商品有高帳に書かれている最終残高、これが帳簿棚卸高という金額になっていきます。けれども実際に倉庫で確認をしてみると意外と金額がズレてたりするんですね。例えば850円。従業員が勝手に持ち出してしまったとか、もしくは不良品が出てきてしまったので捨てているとか。価値が下がってしまっているとか、そのように金額が変ってしまうという事もあります。そこで帳簿上の900円と実際の850円。このズレを調整していこうというのがこれから見ていく期末商品評価になっていきます。

では具体的に内容を確認していきたいと思います。先ほどの帳簿残高と実際の残高。そのズレの原因を分解すると大きくこの2つ。個数と単価のズレになっていきます。これはどういう事かと言いますと、個数っていうのは帳簿上の個数。例えば帳簿上10個ありました。でも倉庫に行って実際の個数を調べてみると8個しかなかった。2個無くなってる。これを棚卸減耗費と言っていきます。帳簿上の個数と実際の個数を比較して2個減少、2個減少しているものは棚卸減耗費という費用で記録をしていく。で、単価のズレ。買ってきた時の値段、これを原価といいます。この原価が、例えば1個当たり100円だったとしましょう。けれどもずっと100円かというとそうではなく、その時々によって単価が変わるという事もあります。期末現在、金額を調べてみると、その時の価格、時価ですね。時価を調べてみると、95円だった。という事は1個あたりマイナス5円。この単価のズレ、マイナス5円分を商品評価損と言っていきます。

ここで注意して欲しいんですが、この商品評価損。これは原価と時価を比較した時に原価の方が大きい、つまり時価が低くなっている、買った時よりも今の値段の方が低い場合の時だけ商品評価損を計上していきます。なのでもし買った時の値段が100円で時価が101円だったと。プラス1円だから商品評価益を計上するかというとそんな事はしません。あくまでも値段が下がった時だけ評価損の計上をしていきます。

では具体的に例題を使って計算、仕訳を確認をしていきましょう。期末商品は以下の通りである。なお棚卸減耗費及び商品評価損は売上原価の内訳科目とすると。つまり売上原価にプラスしてね、という事です。棚卸減耗費、商品評価損を最終、売上原価にプラスして下さいね、という指示です。この辺りは後ほど細かく見ていきますので、こんなふうな表現があるんだという事だけ知っておいて下さい。そしてこれですね。ここが期末の資料となります。期末商品のデータ。帳簿棚卸数量300個、実地棚卸数量280個。原価、時価100円、95円となっています。その下、当期仕入高、期首商品棚卸高となっています。では決算整理仕訳。まずは売上原価の計算という事で先ほども見たように期首、期末の修正仕訳を行ってあげて下さい。借方、仕入、貸方、繰越商品。期首の35,000円をまずは記帳と。続いて期末商品。借方、繰越商品、貸方、仕入。で、金額はどれを使うのかという事ですが、まずはこちらですね、帳簿棚卸数量300個×100円、30,000円で記帳を行なって下さい。そしてこれから具体的な計算をしていきます。計算をする際には電卓だけで金額を出すのではなく、箱の図を使って分かりやすく計算をしていきます。仕訳のこの下に余白がありますね、ここを使って少し説明をしておきましょう。期末商品評価となっていきますが、縦軸と横軸を書きます。横軸が個数。縦軸が単価を表します。帳簿上の個数が300個でした。そして原価が100円。これで面積計算をして下さい。300×100。これで30,000円という期末商品が計算出来ます。続いて手順としては、まずは個数に着目して下さい。300個あるはずだった商品、でも実際見てみると280個しかありませんでした。という事は20個なくなっていると。この20個分を棚卸減耗費として計上していきます。棚卸減耗費、金額は20個×100円。2,000円になります。続いて、個数の次は単価に着目します。単価は100円だったんですが、調べてみると95円に下がっていました。1個あたり5円の減少。この5円の減少については、実際に残っている個数だけで計算がされていきますので、5円×280個。これを商品評価損として計上していきます。5円×280。1,400円。このようにして期末の商品評価を行ってあげて下さい。

では仕訳ですが、この期末商品30,000円を分解した訳ですよね。で、無くなっている、価値が下がっているそれぞれ2,000円、1,400円合わせて3,400円減少していると。貸方、繰越用品、金額は3,400円減少と。3,400円減少した原因というのが、2,000円分が減耗、1,400円が商品評価損という事で借方、棚卸減耗費、商品評価損それぞれ2,000円、1,400円と記録されていきます。そして基本的にはここまでで結構なんですが、ただ問題文のここですね。棚卸減耗費、商品評価損は売上原価にプラスするよという事なので、それぞれを売上原価に足しましょう。貸方、棚卸減耗費、商品評価損。2,000円、1,400円。そして売上原価は仕入勘定で計算されてますので借方、仕入3,400円となっていきます。

このようにして修正仕訳が行われていきます。で、期末商品評価として繰越商品30,000円から3,400円無くなっていますので、残り26,600円だよと。この箱の図でいくと26,600円というのは小さい内側の95円、280個。これで計算をしてもらうと金額が出てきます。ぜひ仕訳と箱の図をセットで確認をしてみて下さい。ポイントはまずは個数、そして後から単価。個数を先、後で単価。この2つを確認してあげて下さい。

仕訳が出来た後は、やはり最終目標である損益計算書の作成、貸借対照表の作成になっていきます。2級商業簿記においての損益計算書。このように縦長の報告式といわれる損益計算書が要求される事もあります。3級であれば勘定式という事で右側に収益、左側に費用。それを右左に分けて集計していきましたが、2級以降に関しては上から順番に並べていくと。ただ上に収益、下に費用ではなく、収益、費用、収益、費用とそのような並び方になっています。

まず売上高。これは収益として500,000円あるよと。で、見てもらいたいのはここからですね、売上原価。売上原価はどこまで続くのかと言いますと、枠で囲ったこの中が売上原価の計算。では修正仕訳を基に埋めていきますが、まず期首商品、これは35,000円ですね。続いて当期商品仕入高、これは問題文にあった160,000円。合わせて195,000円になります。続いて期末商品棚卸高、これは30,000円。差し引き165,000円となります。これプラスマイナス大丈夫でしょうか。期首プラス当期商品仕入そして期末は引き算。そして165,000円というものが売上原価として計算されていきます。ただ問題文にもあったように棚卸減耗費、商品評価損は売上原価、つまりこの165,000円に足しましょうと言っていました。なのでその下側に棚卸減耗費、商品評価損、それぞれを足してあげて下さい。そして足した合計はその右隣に、168,400円となります。そしてこの売上高は収益でしたよね。売上原価は費用です。そしたら収益から費用は引いてあげますので500,000円-168,400円、これが331,600円、利益として現れてきます。ここぜひ覚えておいて欲しいんですが、売上高から売上原価を引いた331,600円、これを売上総利益と言っていきます。売上総利益。ここをぜひ試験で出題された場合には書けるようにしておいて下さい。

そして最後ですね。貸借対照表の商品の金額。これは何を意味してるのかというと、期末商品棚卸高、これがいくらなのかというのが要求されています。ちなみに先ほどのこの修正仕訳でいくと、どの部分を指してるのかというと、ここですね。30,000円から商品評価を行なった3,400円を引いた残り、つまり26,600円が貸借対照表に載ってくる期末商品棚卸高です。で、少し見て欲しいんですが、損益計算書の期末商品棚卸高と、最終、貸借対照表に書かれる期末商品棚卸高は金額がズレています。これなぜズレているのかというと、結局、棚卸減耗費や商品評価損があったからですよね。なのでここ一緒になってしまうと間違いとなりますのでぜひ商品評価を行なってるケースの場合には十分注意をしておいて下さい。

また、せっかく箱の図を使っていますので、これをうまく活用するという方法もあります。例えば先ほど書いた箱の図、簡単にまとめておくとこうでしたよね。まず外側の大きい箱、ここで計算された金額が損益計算書に載ってくると。そして内側の小さな箱、ここが貸借対照表の商品として載ってくるという事になりますので、ぜひそれぞれどちらの金額を使っているのか、箱の図で確認出来るようにもしておいて下さい。

以上で商品売買は終了となります。ただ、今見てもらったのは3級の延長である通常の商品売買、それにかかる決算整理となっていきます。ただ2級に関してはこれだけではなく、続いて見ていく特殊商品売買というものも重要になっていきます。特殊商品売買はたくさん種類がありますので、まずここまでの通常の商品売買がしっかりと解答出来るように復習をしておいて下さい。

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