簿記2級無料講座 手形の裏書譲渡
手形の裏書。まず裏書譲渡って何だったのか。復習も兼ねて見ておきましょう。例えばA社とB社でやり取りをしました。A社はB社から商品を100,000円で仕入れ、約束手形を振り出して代金を払った。そうなると仕訳としてはA社は借方、仕入100,000、貸方、支払手形100,000。B社では商品を売り上げていますので、貸方、売上100,000、借方、受取手形100,000。ここまでよろしいでしょうか。そしてこの手形というのは第三者へ渡す事が出来るんですよね。B社はC社から商品を仕入れました。同じように100,000円の商品を仕入れたとしましょう。代金の支払いとしてA社から受け取った約束手形を裏書譲渡しました。こうなった場合B社ではどうなるのか。商品を仕入れて手形を渡したという事で受取手形の減少。ここまでは一緒なんですね。
ただここからが2級の内容になっていきます。ここですね、一行仕訳が必要になります。例えば今皆さんがC社の立場だとして下さい。C社は手形代金を受け取る受取人です。この代金は誰が払ってくれるのか。支払人はA社です。もしこのA社が倒産してしまって代金を払えなくなったら受取人であるC社はどうでしょう。お金がもらえないとなってしまったら誰に文句を言うでしょう。恐らくB社に対して「あんたからもらった手形、お金貰えなくなったやんか」とクレームを言って、何とかB社からお金を回収しようとしますよね。裏書譲渡をするという事は、もしかしたらA社が払えなくなるかもしれないというリスクをB社は負います。リスクの発生です。
3級では特にこのリスクについては触れませんでしたが、2級以降に関してはこのリスクに関してもちゃんと記録しておこうと、裏書をした事によるリスク、これを金額として表してちゃんと反映させて下さいねと。例えばリスクの金額が見積もったら500円だった。この500円のリスクも記録しておこうねとなります。貸方、保証債務500円。そし借方は保証債務費用500円となります。保証債務勘定は負債。ひょっとしたら支払うかもしれないという義務。それに対してのリスクとして費用を記録します。このように、ひょっとしたらという見積もりを立てて記録していくっていうのが必要となります。こちらも新しい内容となります。しっかりと押さえておいて下さい。
ちなみに問題として出て来るならば、手形額面に対して何%計算しなさいとなります。1%とか2%とか問題によって変わってきますので、パーセンテージは指示に従ってもらったら結構です。単純に手形額面に対して何%という風な指示が来ますので、その指示に従ってもらえれば結構です。
実際にですね、支払えなくなったというよりも無事に決済されるという事が多いです。手形を振り出すという事はちゃんと支払うよという意思表示になりますので、会社が潰れない限りはちゃんと払ってくれます。じゃ無事に決済されたらどうするのか。逆にやっぱり支払えなかったとなればどうするのか、それぞれについて確認をしておきましょう。
まず無事に決済された場合。支払う義務が先ほど保証債務で記録していましたが、これはもう不要になる訳ですね。ちゃんと決済された。「あ、支払わなくて良くなった」という事で保証債務を消します。借方、保証債務500。で、貸方、こちらは少し科目が変わります。保証債務取崩益500円。これは収益として計上します。受講生の中には「保証債務費用500円を逆仕訳するんじゃダメなんですか」という質問を受けたりしますが、これは出来ません。なぜかというと、この保証債務というのは金融負債と言われるものです。リスクを金融負債という呼び名で言っています。この金融負債が発生すれば費用の計上、そしてこの金融負債が無くなったという事は、イメージとしては借金がチャラになったというイメージです。借金を払わなくてよくなった。ではもし自分が借金を払わなくてよくなったらどうでしょう。儲けたと思いませんか。それと同じような感覚で金融負債の消滅という事で、借金がチャラになったのでその分儲かったという意味で保証債務取崩益の記録を行ないます。費用と収益ですね、費用と収益を両建する事でちゃんと決済されてるな、ちゃんとこれが処理として終わってるなという事を表すという意味で、記録として残りますので、費用を消すのではなく、費用と収益を両建させて無事に終わってる、何らかの処理が終わってるんだという事を明確に分かるようにしています。
では続いて不渡りになった場合。支払人であるA社。A社が払えなくなった場合どうするのか。C社はB社に対して「払ってよ」という請求をしてきます。請求されたら当然リスクを負ってるB社は払う義務がありますので、C社にちゃんと手形代金を払わなければいけません。そうなった場合、不渡りになった場合、償還請求の費用200円+延滞利息100円を含めて現金で払っている。つまりこの手形代金100,000円と、請求費用、利息合わせて100,300円の支払いを行なっている。で、借方、これは不渡手形として一旦記録をしておきます。まだA社が完全に払えなくなったという状態ではありません。一応B社もA社に対して請求をかけますので、それをかけるに当たって一旦不渡手形として記録を残しておきます。そして後、ここですね、同じように保証債務は取り崩しておきます。不渡りになっているっていう事で「損してるやないか」と思うかもしれませんが、あくまでも不渡手形は不渡手形、金融負債である保証債務、リスクはリスクで別の考えで計算処理がされていますので、これについては良い結果でも悪い結果でも必ず保証債務の取崩しは行なわれていきます。この辺りはぜひ注意をしておいて下さい。
この後、不渡り手形が回収出来た、回収出来なくなったというのは先ほど不渡手形の所でやった内容と全く同じです。なのでまた不渡手形の復習もしてみて下さい。
では続いて手形の割引き、こちらを確認しておきましょう。
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